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食中毒を防止するために覚えておきたいこと

 安全な食生活を担うために、食中毒は防止しなければいけません。最低限の知識を頭に入れておきましょう。

食中毒の原因

 食中毒の原因は次の4つに分類されます。

 

  • 細菌性による食中毒菌…食品中に混入した細菌によるもの。食あたり。
  • 自然毒による食中毒…動物または植物の自然毒によるもの。
  • ウイルスによる食中毒…ノロウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス。人の体内で増殖。
  • 化学物質やカビによる食中毒…ヒ素、シアン化合物などの化学物質、マイコトキシン(カビ毒)、ヒスタミン(鮮度が低下した魚介類や加工品)

 

 

 細菌性食中毒はさらに次の3つに分類されます。

  • 感染型…潜伏期間長い。加熱で死滅。サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、カンピロバクター。
  • 食品内毒素型…潜伏期間短い。加熱で死滅しない。食品内で増殖し毒素発生。黄色ブドウ球菌、セレウス菌(嘔吐型)、ボツリヌス菌。
  • 生体内毒素型…潜伏期間長い。加熱で死滅。腸内で増殖し毒素発生。腸管出血性大腸菌、セレウス菌(下痢型)、ウエルシュ菌。

食中毒の予防

細菌性食中毒予防の3原則
  • 清潔…細菌を付けない。食品、調理器具は洗浄・殺菌。
  • 迅速…細菌を増やさない。速やかに食べる。冷蔵庫に保存(10℃以下)。
  • 加熱…細菌を殺す。ただし、熱に強い毒素もあるので過信しない。

 

衛生管理の7S
  • 整理
  • 整頓
  • 清掃
  • 清潔
  • 洗浄
  • 殺菌

殺菌の方法

 殺菌とは、有害微生物を死滅させることです。加熱、煮沸、乾熱、薬剤、紫外線、放射線、音波などの殺菌方法があります。

 

殺菌の種類
  • 消毒…細菌だけを死滅・減少させ、感染力のない安全な状態にすること。
  • 除菌…有害微生物を除去すること。濾過、洗浄など。
  • 滅菌…微生物をほとんど死滅させ、ほぼ無菌にすること。
  • 静菌…微生物の活動を抑え、それ以上繁殖させないようにすること。
  • 抗菌…微生物の発生・生育・増殖を阻止または抑制すること。

 

アルコール消毒について
  • 60~85%の高濃度水溶液を使用すること。
  • 病原微生物、カビ、ウイルス、白癬菌などに効果あり。
  • 芽胞細菌には効果なし。

食品の変質

 食品は時間の経過などでさまざまな化学変化が起きます。

 

  • 変質…長時間放置により外観や内容が変化すること。乾燥や変色、変形、異臭など。腐敗、変敗、発酵を総称して変質と呼ぶこともある。
  • 腐敗…たんぱく質が分解され、食用に適さなくなること。いわゆる、腐った状態。
  • 変敗…油脂が劣化して、食用に適さなくなること。

 

変質の原因
  • 化学作用…食品内の酵素と、大気中の酸素によるもの。油脂の酸化、肉・魚の変質など。
  • 物理作用…光線や水分、温度などによるもの。光線による変色、酸化や水分による変色やカビ発生など。
  • 微生物…食品内の微生物によるもの。たんぱく質が腐る(有害な変質)、炭水化物の分解によりアルコールや有機酸を生成(有益な変質=発酵)など。

 

変質を防止する方法
  • 加熱法…低温長時間殺菌(63~65℃で30分。パスチャライズとも。消費期限表示あり)、高温短時間殺菌(72~85℃で2~15秒)、超高温短時間殺菌(120~150℃で1~4秒。ロングライフ牛乳。)
  • 紫外線照射法、放射線照射法…天日干し、紫外線殺菌灯。効果は表面のみ、持続しない。放射線はジャガイモの発芽防止のみ認められている。
  • 燻煙法…木材を不完全燃焼させて肉類や魚類をいぶす。殺菌だけでなく独特の風味効果も。
  • 空気遮断法…びんや缶、真空パックなど。好気性菌の発育を抑制。
  • 低温法…温度を下げて有害微生物の活動を鈍くする。特に-15℃以下で急速に冷やすことを冷凍という。
  • 乾燥法…水分を取り除いて、微生物の活動を抑える。
  • 塩蔵法…食塩水に漬ける立て塩、塩をふりかけるまき塩など。塩漬け、砂糖付け、酢漬け、粕漬け、味噌漬けを総称して漬物法とも。
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